選び方
2021.7.1
振袖の帯揚げはどう選ぶ?結び方やカラーの選び方を解説します
振袖のコーディネートを考える際には、振袖や帯だけでなく帯揚げの選択も重要です。 帯揚げは全体の引き締め役やゴージャス感の演出に役立ち、少しこだわることで上級者の着こなしが演出できるでしょう。 この記事では、帯揚げの特徴やカラーの選び方、結び方などを解説します。 帯揚げの基本を押さえ、素敵な振袖の着こなしを目指しましょう。
帯揚げについて
ここでは、帯揚げの特徴について解説します。
帯揚げとは
帯揚げとは、振袖等の着物を着る際に帯の形を美しく見せてくれる小物の1つです。
帯の上辺を締める布のことであり、帯を締めた後にお太鼓やふくら雀などの帯結びをする際に用います。
帯揚げを付けることで振袖のコーディネート全体の良いアクセントとなり、締りや華やかさをプラスしてくれます。
振袖用の帯揚げについて
帯揚げは訪問着や留袖につけるケースではそれほど目立ちませんが、華やかな振袖に合わせる際には、他の着物のケースより派手で華やかです。
振袖用としてよく用いられるのが総絞りの帯揚げであり、通常よりも重量感やゴージャス感があります。
総絞り以外にもぼかし染めや刺繍、無地など様々な技法で作られた帯揚げがあり、派手なデザインのアイテムであれば振袖に合わせられるでしょう。
また、総絞りの帯揚げは訪問着や留袖をはじめとする礼装用の着物には使えません。
絞りによってどうしてもボリューム感が出てしまうため、スッキリとまとめたい礼装には不向きだからです。
振袖の帯揚げの選び方
ここでは、振袖に用いる帯揚げの選び方を解説します。
振袖や帯に使われている色を選ぶ
振袖にコーディネートする帯揚げを選ぶ際には、振袖や帯に使われているカラーを選択すると全体が綺麗にまとまります。
振袖や帯は単色ではなく多彩なカラーが使われていることが多く、良い振袖・帯を着用しているならば、同色系の帯揚げを使った方が悪目立ちしません。
この場合帯揚げは目立ちませんが、振袖を引き立たせられます。
例えば、着物に赤やピンクの花柄が入っている場合は、帯揚げにも赤やピンクのものを使用すると上手にまとまるでしょう。
振袖や帯に使われていない色を選ぶ
振袖や帯に使用されていないカラーを選ぶのも、素敵なコーディネートの1つです。
例えば振袖と帯が同じような色であまりはっきりしない印象であれば、帯締めに濃い目のカラーを採用することで全体を引き締めることが期待できます。
差し色として帯締めを活用することで、全体の印象をゴージャスに変えられるでしょう。
例えば、振袖や帯が白系統のカラーで全体的にまとまっているのであれば、帯揚げには濃い目の赤などを用いることで一気にゴージャス感が出せます。
帯締めや重ね襟、半襟の色と合わせる
帯締めや重ね衿、半衿のカラーと合わせると、コーディネート全体の安定感や統一感を演出できます。
全体をまとめやすく失敗が少ないため、重ね衿等と同系色の帯揚げがセットで売られている場合も多くあります。
例えば、落ち着きはあるが派手さが少ない紫色の振袖を着るケースでは黄色の帯揚げ、帯締め、半襟を同じ色にすることで黄色が目立ち良いアクセントになります。
基本的な帯揚げの結び方は本結び
振袖の場合、他の着物と比べると帯揚げを多く露出させており、よく目立ちます。
本結びは全体の着こなしをまとめ上げ、バランスが良い印象を与えます。
<本結びの結び方>
- 帯揚げを腰に回し、お腹の前で巻き結びします。
この時、右側の帯揚げが上側に来るようにしてください。
- 下側に出てきた帯揚げ(左手側)を輪にします。
- 輪にした帯揚げに上側の帯締めを通します。
結び目は俵型になるように整えましょう。
- 結び目と両端を帯と着物の間へ押し込みます。
- 全体を綺麗に整えて、完成です。
アレンジをきかした帯揚げの結び方
ここでは、帯揚げのアレンジを効かせた結び方を4つ紹介します。
一文字結び
一文字結びは、漢数字の「一」のように真っすぐ横に伸ばし、結び目を作らない非常にシンプルな結び方です。
帯揚げ自体の個性を活かせる結び方であり、洗練されたデザインのアイテムなら清楚な印象をあたえ、大きな柄ものの帯揚げであれば派手な柄の振袖ともよくマッチします。
<一文字結びの結び方>
- 帯揚げの端を体の前に通します。
- 帯と着物の間へ押し込見ます。
- 全体を整えて、完成です。
かもめ結び
かもめ結びは、かもめが空を飛んでいるような大きな弧を描いて結ぶ方法です。
優雅な雰囲気を出せ無駄がないため、華やかな振袖とも相性の良い結び方だと言えます。
上下の側を気にせず比較的簡単に結べるため初心者にもおすすめです。
<かもめ結びの結び方>
- 脇から出た布地を一旦広げます。
- 帯の中心まで来るように長さを決めます。
- そこを中心に端を内側に畳みます。
- 両手を耳に持ち替え、布を3つ折りにします。
- 表側から見て2段になるように下から上に折り上げ、帯の中へ入れ込みます。
- 反対側も同じようにします。
- 最後に左右の弧のバランスを整え、中心で交差するようにして完成です。
リボン結び
リボン結びは、個性的でレトロな印象も与えられる結び方です。
リボンの大きさによって印象が変わり、大きめのリボンなら存在感を演出でき、小さめのリボンを2つ作れば愛らしさを演出できるでしょう。
<リボン結びの結び方>
- 帯揚げを腰に回し、枕にかぶせる形でお腹の前で巻き結びします。
右手側が上に来るように結んでください。
- 下側の布をお好みの幅で畳みます。
- 畳んだ部分の中央を山折りし、上下半分を谷折りにします。
ちょうど「W」の形になります。結び目を中央に持ってきましょう。
- 作った「W」を上側の布でくるみ、結び目の下にくぐらせて上に引きます。
- 余った布を折りたたんで帯の中にしまいます。
- 形を整えて、完成です。
いりく
いりく(入り組)とは、帯揚げを胸元で左前の形にしてクロスさせる結び方です。
とてもシンプルな結び方であり、ふっくらとした総絞りに適しています。
<いりくの結び方>
- 帯揚げを腰に回し、お腹の前で右側を上にしてクロスさせます。
左右の長さは同じになるようにしましょう。
- 右側の布を、帯の上辺に乗せて左脇で先端を帯の下に入れ込みます。
- 左側の布を、帯の上辺に乗せて衿合わせの位置で振袖側に折り返し、先端を右のバスと下で帯の下に入れ込みます。
- 全体を整えて、完成です。
いりくは左右の布を入れ込む際にひだを作るなど、更なるアレンジもできます。
レース素材の帯揚げなどにも適しており、柄を綺麗に見せてくれるでしょう。
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まとめ
帯揚げとは振袖等の着物を着る際に帯の形を美しく見せてくれる小物の1つであり、振袖の場合には基本的に総絞りのアイテムが用いられます。
帯揚げのカラーは振袖や帯と合わせたり、あえて異なるカラーを選んだりとコーディネートによって様々考えられるでしょう。
結び方は基本の本結びを中心にリボンやかもめなど様々な結び方があるため、自分の好みや全体的なバランスに合わせて考えると楽しいです。