選び方
2021.6.25
袴の上に着る羽織りは何がいい?ストールやポンチョもおすすめ
袴の上着は、和装用でなければいけないと思っていませんか? 実は、女性の袴は上着に何を合わせても良く、例えば普段防寒で使っているポンチョを合わせても問題ありません。 この記事では、定番の羽織や洋服の時にも使える防寒アイテムも含め、袴の上着について詳しく解説します。 ぜひ参考にして、暖かくてかわいいコーディネートを目指してください。
袴の上に羽織る上着
袴の上に防寒で着る上着にはどのようなものがあるのでしょうか。
袴に似合う上着の種類と特徴をみていきましょう。
羽織
袴に合わせる防寒着で最初に思い浮かべるのは羽織でしょう。
羽織は、昔は男性だけが着る上着でした。
しかし、江戸時代になると、羽織の暖かさや着やすさなどが注目され、男性だけでなく女性も着るようになりました。
羽織の着方は、前衿を折り、紐で前を結びます。
カーディガンのようなものなので、着たままで部屋の中に入っても問題ありません。
冷房などで肌寒いなと感じる時の防寒にもなります。
羽織には二種類があります。
丈が膝下よりも長いものを長羽織といい、中羽織はやや短めです。
中羽織の方が普段気に近いイメージがありますが、丈の長さには流行があり、最近は長羽織を選ぶ方が増えているようです。
羽織を着る時期
10月から翌年の4月頃までが最適です。
寒くなり始めから半年近く着られるのも人気のひとつです。
5月から9月頃の暑い時期には、単衣の羽織やレース素材のものを着ます。
冷房による冷えやホコリ避けとしても使えますし、見た目も涼しげな印象を与えます。
羽織を着る時のマナー
男性の場合は第一礼装に合わせますが、女性は第一礼装には合わせないのが基本です。小紋などの着物と合わせて準礼装として着用しましょう。
「袴に羽織を合わせてもいいの?」と思う方もいますが、女性の袴は第一礼装には当たりません。羽織袴の装いでも礼装にはなりませんので、袴の上着として安心して着られます。
また、基本的に外で着る防寒着ではないので、部屋の中でも着られます。しかし室内だと裾を踏んだりしてしまうこともあるので、寒い時以外は脱いだほうが無難です。
道行
礼装としても普段着としても使える道行は、和装の上着には欠かせない存在です。着物の上から羽織る道行は、洋服に例えるとコートのようなもので、衿元が四角く開いているのが特徴です。道行は着物に合うように作られているので、裾が広がる袴との相性は決して良いとはいえません。しかし、道行の方が袴よりも大きい場合はしっくりくることもあるため、袴と合わせてみるとよいでしょう。
道行の季節
着物だけでは寒いと感じる時期に着ます。涼しげな雰囲気のレースや透け感のある素材の場合は、夏前から秋頃まで着用可能です。
道行を着る時のマナー
礼装の場合は、無地や礼装にふさわしい落ち着いた柄を選ぶのがポイントです。道行はコートであるため、部屋に入る前に脱ぐのがマナーです。
和装ショール、ストール
成人式でよく見かけるふわふわとしたショールは、見た目の可愛らしさだけでなく、首に巻くだけで真冬でもとても暖かいです。特に着物は、首元が開いているため、首回りを温めることは重要です。肩全体を包み込むような、やや大きいサイズのものもあるため、こうしたものを選べば、着物にも洋服にも使えるため重宝できます。
和装ショール、ストールを着る季節
着物一枚だけでは肌寒いと感じる時期であれば、和装ショールやストールはいつでも着られます。
和装ショール、ストールのマナー
室内に入る際は、あらかじめ外しておきましょう。
道中着
道中着は、「道中お気をつけて」と旅人にかける言葉が由来となった和装の上着です。
昔は旅の時に着るものでした。道中着の衿は着物のように重なっており、右の前側を紐で結びます。この紐を色々なカラーや柄、装飾に変えておしゃれを楽しむこともあります。
道中着を着る季節
着物一枚では肌寒いと感じる時期であれば、いつでも問題ありません。また、涼しげな雰囲気を与える素材ならば、初夏から初秋にかけて着られます。
道中着を着る時のマナー
道中着は普段着に合わせるのが一般的です。また外で羽織る上着ですので、部屋に入る前に脱ぎましょう。
和装コート
素材は洋服のコートに似ていますが、着物に合わせて衿や袖のあたりがゆったりとした作りになっています。長めの丈のものが多く、帯を想定して作られているので背中の部分が大きめになっており着崩れも気になりません。洋服の生地でも和装のイメージを崩さず、上品な印象を与えてくれます。
和装コートの季節
首周りから膝下あたりまですっぽりと包んでくれるので、特に寒い日におすすめです。
和装コートのマナー
和装コートはコートですので、室内に入るときには脱ぎましょう。
ケープ・ポンチョ
袖がないケープのようなものは、着物の上からでもゆったり着られます。また和装は上品な印象ですが、ポンチョを合わせると少し違った可愛らしい印象を与えてくれるのでおすすめです。
ケープやポンチョを着る季節
防寒用としてはそれほど暖かくないので、肌寒い時期がおすすめです。
ケープやポンチョ着用のマナー
カジュアルな着こなしを楽しむためのものであるため、礼装には使用しません。また、部屋に入る時は脱ぎましょう。
雨コート
雨コートは、着物をすっぽりと裾まで覆ってくれる、丈の長いレインコートです。絹や化繊など、生地は様々であり、撥水加工が施されていれば雨をはじいてくれます。
衿は道行のような四角く空いたデザインが多いですが、特に決まりはないため多種多様です。
また、雨コートには一部式、二部式があります。一部式は上から下までつながっているため、自分の背丈に合わせて誂えてもらうのが基本です。二部式は上下が分かれているため丈の調整ができるため、便利です。加えて、雨コートは裾が濡れないよう長めの丈のものを選びましょう。
雨コートの季節
雨が降った時に着用するので、シーズンは特に問いません。二部式はコンパクトに折りたたんで持ち歩けるので、雨が降りそうな時に携帯しておくと便利です。
雨コートのマナー
室内に入る時は脱ぎましょう。そのまま脱いでしまうと、脱ぐ時に水滴で着物が濡れたり、近くにいる人に飛んだりすることもありますので、手ぬぐいやハンカチなどで先に水滴を落としてから脱ぐとスマートです。
袴に合わせる上着に決まりはない
女性の袴は礼装ではないので、合わせる上着に特別な決まりはありません。袴と合っていれば、普段の洋服に合わせている防寒着でも問題ありません。最後に、袴に合わせる上着を選ぶポイントと注意点を紹介します。
和装の上着がない場合
普段、洋服を着る時に使用しているショールなどを合わせるといいでしょう。
袖のないものなら着物が着崩れたりする心配もないのでおすすめです。
また、改めて購入する場合も和装にこだわらず、洋服の時でも使えるものを購入した方が後々使用する頻度も高いでしょう。
袴と上着のコーディネートの注意点
袴は着物と違って裾が広がっているため、着物用のコートや上着との相性は悪い方です。
しっくりくるものが見つからない場合は、大きめのストールなどを羽織った方がコーディネートしやすいでしょう。
袖の長さに注意
卒業式の袴に合わせる小振袖や中振袖は袖が長いです。一般的な羽織や道行と比べて袂の袖の長さは違います。
袖を織って羽織の中に入れた時、袂がごわつかない程度であればいいのですが、あまりにも雰囲気が変わってしまうようであれば、羽織を合わせるのは諦めた方が無難です。
袖の長さに左右されないケープやストールを合わせましょう。
まとめ
袴の上着として、和装用の上着を合わせるのも良いですが、洋服用のポンチョやストールもおすすめです。また、袖を通さなくても良いケープ、ポンチョ、ショールも、意外に袴と相性が良いです。袴にどんな上着を合わせるか、本記事を参考に検討してみてください。